【サマーウォーズ】はなぜ賛否両論!?個人的!名場面・名言集

公開日: : 最終更新日:2015/09/21

テレビアニメ

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『サマーウォーズ』は『時をかける少女』で一躍名を馳せた細田守が監督、キャラクターデザインに「王立宇宙軍」「エヴァンゲリオン」の貞本義行が参加した2009年の映画です。

この作品に対する評価はとても興味深く、Yahoo!での評価は平均得点は4点前後であるものの

内訳は、「5点」と「1点」の割合が多いという物であり、観る人によって評価が真っ二つに割れた作品であることがうかがえます。

なぜここまで評価が分かれたのか、そしてこの映画の魅力について解説していきたいと思います。

『サマーウォーズ』のストーリー

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広大に発達したネットワークシステム「OZ」は、

  • 人と人との交流
  • 官庁の受付窓口
  • 企業の店舗
  • インフラのメンテ

様々なことができる仮想世界に発達していた。

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インターネットが今より更に進化した仕組みと考えればOK

主人公の高校二年生:小磯健二は、憧れていた先輩である陣内夏希に「一緒に田舎に帰る」というバイトを持ちかけられて彼女に同行する。

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夏希の田舎は武家の家系の大家族で、曽祖母である陣内栄の90歳の誕生日パーティーが企画されており一族が集結していた。

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健二はそこで、祖母を喜ばせたいという夏希に偽の婚約者役をやらされるハメになるのだが…翌日「OZ」の内部では様々な異変が発生。

なんとその主犯としてTV画面に映し出されたのは、何者かにアカウントを乗っ取られ目線を入れられた健二の映像だった。

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社会の隅々まで行き渡った「OZ」の混乱は深刻な混乱を巻き起こし、その混乱が元となって医療連絡システムにも以上が発生。

各方面に有する人脈を駆使して混乱を収束させた曾祖母:栄も、心臓発作の緊急連絡システムの不備によりこの世を去ることになる。

「OZ」を混乱に陥れたのは暴走した人工知能「ラブマシーン」

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混乱収束後も未だ暗躍する「ラブマシーン」に反撃するため、そして栄おばあちゃんへの弔い合戦とため、かつて戦国の世に徳川家と戦った先祖の血を受け継ぐ陣内家による夏の陣「サマーウォーズ」が始まった……

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見どころ

  • 電子ネットワークの仮想世界
  • 信州上田の懐かしい田舎の風景
  • そして昔ながらの大家族のギャップ

が冒頭の部分の見どころです。

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ベタだけど決して期待を裏切らない展開。

「家族」を前面に出した構図、悩みのない爽やかなボーイミーツガールなどなど…観客が望んでいるものを全部見せてくれ、テーマにしたいことがはっきりしている作品です。

努力は必ず報われる、がんばればきっとなんとかなる。

それはあるいはファンタジーなのかもしれないけれど、映画の中でくらい信じていたいしやってほしい。

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昨今増えているダーク系作品のように展開が暗転していく不安感もなく、終始安心して観ていられることが本作の最大の魅力だと思います。
(ダーク系の作品も、それぞれにまた魅力があるのはもちろんですが!)

テーマにしたいことが終始一貫して描かれており、

  • 家族
  • ネットワーク
  • ボーイミーツガール

などにブレがないため、とても入りやすい作品世界となっています。

魅力的な登場人物

ヒロインである夏希の実家、陣内家はかつて戦国時代の武田氏に使えた武家で武田氏滅亡後は独立して信州上田に居を据えて大国徳川家との二度の合戦に勝利した一族です。

はい、モデルは真田家ですね。

本当にありがとうございました。

上田合戦、そして大阪の陣で強敵・徳川家と戦った真田一族の熱いスピリットを陣内家の面々も継承しており、物語後半ではその魂を彷彿とさせる名言も飛び出してきます。

小磯健二

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数学オリンピック日本代表に…わずかの差でなりそこなった数学の天才。

「なりそこなった」という部分も、彼が万能の数学者ではないという意味で「OZ」における暗号バトルでは「天才が華麗に解決」ではなく、ハラハラドキドキしながら「がんばって勝つ」というアクセントになっており、設定の妙がありました。

人柄は「いい人」であり、親が不在がちな家庭に育った彼は、陣内家に外部からやってきた異邦人という立場で「家族で食事をするのって楽しい」という視点を持ち込み、この作品で押し出されている「家族」というテーマへのポジティブな価値観を提示します。

篠原夏希

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美人で・家族思いで・優しく・芯が強い。

とってもテンプレ的なヒロイン。

だが、それがいい!

いいんです、いいんですよ直球で。

この「いい」部分の切り取りがうまく、余計なもののない好印象の部分が目に耳に心に優しいキャラクターです。

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体調を崩していた曾祖母:栄を喜ばせようと、健二を婚約者として紹介。

「旧家の出身、東大卒でアメリカ留学から帰国」という無茶な設定を付け加えて家族に紹介するも、後に露見します。

後半に彼女が「OZ」内で行う、全世界の家族達から託されたアカウントをチップにした花札バトルは、彼女の魅力をふんだんに発揮する名シーン!

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陣内栄

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最強のおばあちゃんで、陣内家の総領。家族みんなの人気者。

これまたいい人。

世間様に対してまっとうな正義感と、身内への家族愛に満ちあふれた気品のある女性で、その愛情は夫が別の女性に生ませた子供にも及びます。

「OZ」における初期の混乱を、豊富な人脈で関係各庁への叱咤激励で収束させる女傑でもあり、彼女の運命が陣内家の固い結束に結びつきます。

上品なおばあちゃんキャラって、なんでこんなにいいキャラが多いのかな。

佐久間敬

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健二の友人である敬は、学校からネットを介して健二をフォローします。

これまた嫌なところがまったく無い。

頼りになり、親身になってくれて、夏希を巡る愛憎劇なんてカケラも発生しない。

この作品が目指しているところからのブレがまったくないキャラクターなので、本当に好感が持てる少年です。

陣内侘助(わびすけ)

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夏希の叔父。ということになってはいるけど、実は栄の夫が妾に生ませた子供で幼少時に陣内家に養子入り。

家族の中では唯一のはみ出し者で、「OZ」を混乱させた人工知能の制作者。

しかし、人工知能の暴走は米軍の実験によるものであり、あまり罪があるわけではありません。(まったく無いわけでもないですが)

家族や栄に対する承認欲求のために頑張って作ったものが悪用されただけのことで、仮想世界における戦いのキーパーソンともなります。

池沢佳主馬

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陣内家の一員で、母が栄の孫。

「OZ」で行われる格闘ゲームの強者で、「キングカズマ」として名が通っています。

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他の家族達のように身内にべったりというわけではなく、ちょっとひねくれて距離をおいているふうもありますが、とどのつまりは家族のためにがんばります。

中盤からラストバトルにおけるキーパーソンの一人ですが、中学一年生でキャラデザが中性的だったので、最初見たときはてっきり少女かと思いました。

その他、陣内家の一族

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登場人物が多く、全部紹介するととなんでもないことになるし、それぞれ厚みがあるキャラクターではないため、一括紹介させていただきます。

戦国の世から受け継ぎスピリットを持った男達に、総領である栄を慕って結束する女達。

いわゆる、昔の田舎の名家なのですが、大家族のいい面も悪い面も持っています。

夏希が連れてきた健二の住民票を勝手に調べて、「旧家~」なる設定を嘘だと騒ぎ立てたり、田舎の大家族特有のおせっかいさも。

しかし、そんな面を見せつつも、この物語では一族の団結は巨大な敵に立ち向かう大きな力となっており、また栄を中心とした親戚付き合いのいい面・あったかい面、世話焼きのありがたさなども見せてくれます。

一族の中にはITの専門家や自衛官、警官など様々なベストポジションが存在していて、人工知能との戦いは一族の総力を結集したものとなります。

この部分が、この作品に対してネガティブな印象を持った方にとっては「都合が良すぎる」と見られているのですが、この作品はこれでいいと思います。

楽しく・熱く・安心して盛り上がれるのが、この映画のいいところなのですから。

 

賛否が分かれる理由

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この作品の魅力は上記に述べたとおりなのですが、そこが気に入らないという方もたくさんおられます。

  • 展開がわかり易すぎる
  • 薄っぺらい
  • IT世界への警告とか、今更感がすごい
  • ご都合主義

などなど。

確かにそうなんです。

この作品はアニメを普段見ない人やネットを舞台にしたSF作品になじみのない人にも受け入れやすくするために、かなり難易度が低く設定されているので、様々な作品を見てきたヘビーユーザーにとってはそういうふうに感じてしまうこともあると思います。

しかしながらそれはコインの表と裏のようなもので、逆にそれが受け入れやすさ・普遍的な面白さにも繋がっているのです。

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ハードで重厚・複雑なものを求める人には軽く見られてしまうけど、取っつきやすくて楽しみやすさをしっかりと感じさせてくれる作品です。

しかし「わかりやすい」作品といっても、

  • 間のとりかた
  • 台詞回し
  • 環境設定
  • 細やかな演出
  • 効果的な音楽

など、細部まで手を抜いたところがないからこそ多くの人に受け入れられたのではないでしょうか。

「3点」なんていらないのです。

極端に低い評価をつける方が多い原因を考えるに、「TVアニメ」と「映画」の差があったのではないかと推察します。

これがTVアニメであれば、視聴者は序盤数話で好きな作品かどうかの取捨選択をできるので気に入らない人はスルーできるところでした。

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しかしこの作品は劇場公開作品です。

貞本義行氏のネームバリューに惹かれて観に行った人も多かったため、「外した!」と感じる人にとっては高いお金を払っただけに反発も大きかったのではないでしょうか。

しかしレンタルビデオで借りるぶんには金銭的な負担も少ないはずですし、一昔前のような素直な娯楽作品が観たい人は、一度試してみてはいかがでしょうか?

悪い意味での「重さ」がまったくないので、気分的にも気楽に楽しめて人を笑顔にさせる素敵な作品だと思いました。

  • 一夏の大事件
  • 熱血
  • 家族の絆のユートピア

こんな作品があったっていいじゃないですか。

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作品で語られる名言集

陣内栄

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「あんたならできる」

「何千、何万って人が困ってる。
 ここで頑張らないでいつ頑張るんだい!」

(「OZ」の混乱収束のため、各方面への叱咤激励にて)

90歳のおばあちゃんにこんなこと言われたら、やんないといけませんね。

「家族同士で手を離さぬように、人生に負けないように、
 もし、辛いときや苦しいときがあっても、いつもと変わらず、
 家族みんな揃って、ご飯を食べること。」

(遺書にて)

この言葉でパニックだった一族は落ち着きを取り戻し、ご飯を食べて英気を養い、決戦に向かいます。

「一番いけないのは、お腹が空いていることと、一人でいることだから。」

(遺書にて)

この作品のテーマ「家族」に直結する台詞で、作中の名シーンの中で特に胸を打ちます。

小磯健二

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「あきらめたら、解けない。
 答えは出ないままです。」

(人工知能との対決に敗北し、戦意を失いかける陣内家の人々に向けて)

主人公らしい一言。
この作品は、「予想通り」ではなく「期待通り」の台詞を皆が吐いてくれます!

「よろしくおねがいしまーす!」

(人工衛星落下まであと2分、膨大なケタ数の暗号を鼻血を出しながら暗算で解き、Enterキーを押す瞬間)

「いきまーす!」でも「いっけー!」でもなく「よろしくおねがいしまーす!」
いろいろ深い意味が内包されている台詞です。
夏希を託したおばあちゃんへの、陣内家への、返答?

篠原夏希

SummerWars16

「掛け金は……あたしの家族!
 みんなのアカウント、あたしが預かったわよ!」

(最後の花札勝負にて)

背負う物の重さが際だちます。

「まだ負けてない!!」

(陣内家に落下する人工衛星を止めるため踏みとどまった健二の姿に)

避難を開始し、逃げることを諭された家族に向かって。
ヒロインの面目躍如といったところ。
ここでやらなきゃ男じゃない!

 

「嬉しい。ありがと。」

(ラストシーン、健二の台詞を受けて)

期待していた料理が期待通りの味だった瞬間です!

陣内万作

「こういうのは、勝ちそうだから戦うとか、
 負けそうだから戦わないとかじゃないんだよ。
 負け戦だって戦うんだ、うちはな。」

(人工知能との最初の対決に敗れた家族に)

さすが真田の末裔。
第一次、第二次上田城合戦、大阪夏の陣と、常に強大な敵に立ち向かってきた気概を感じさせる台詞です。
個人的には最も好きな名言でした。

 

ドイツの少年

「アカウントをナツキに預けます。
 わたしたちの大切な家族を、
 どうか守って下さい。」

(人工知能との花札決戦で、チップのアカウントが足りなくなったとき、ネットの向こうから)

ここでもテーマが明確に。
遠く離れたネットの向こうにも、大事な家族を守りたいという人が居ることが、夏希の力になります。
この台詞に続く、十億以上のメッセージが届けられるシーンは、「わかっちゃいるし、予想も出来るけどグッとくる」名シーンです。

 

登場人物全員(全世界から)

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「こい!」

(十億以上のアカウントを託された夏希の花札勝負にて)

これほど熱い「こいこい」があっただろうか。

 

しかし……栄おばあちゃんの名台詞が圧倒的。

ネットでも、心に残る名言としてあげられているのは、ここに挙げたものよりさらに多くの栄おばあちゃんの名台詞が多数。

気品のある老人が叡智を持って振る舞うとき、名台詞というのは発生しやすいですね。

 

『サマーウォーズ』は、敷居を低く設定しながら制作者側がやりたかったことをやりとげたSFの名品だと思います。

難解な作品もいいですが、時にはわかりやすい作品もいいんじゃないかと。

わかりやすいけど、決して凡作ではありません。

手に汗握りながら最後は人を笑顔にさせる。

そんな素敵な作品なのです。


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